いのちをつなぐNOSANプロジェクト

天然資源を守る
低魚油飼料

Phase 1

天然資源の「魚油」に
依存しない飼料づくり

養殖魚を健康に育てるための飼料は、これまで「魚粉」と「魚油」という海産由来原料への依存度が高い構造にありました。

「魚粉」については、各社で研究が進み、植物性原料など複数の代替原料が実用化されつつあります。一方で、「魚油」については代替の選択肢が限られており、依然として天然資源への依存が続いているのが実情です。

しかし、魚油の生産量を増やすには多くの魚を漁獲する必要があり、需要の拡大は乱獲や海洋資源の枯渇につながるリスクをはらんでいます。加えて、魚油は天然魚の漁獲状況に左右されるため、価格や供給が不安定になりやすいという課題もありました。実際に、近年は魚油相場の高騰が続き、養殖業の現場にも大きな影響が及んでいます。

限りある天然資源に依存し続ける、今の構造そのものを見直す必要がある——。私たちはそう考え、代替が難しいとされてきた魚油にも目を向けることで、養殖と海の未来を両立させる飼料のあり方を模索し始めました。

Phase 2

藻類由来DHAで
魚油の使用量を削減

魚油に含まれる重要な栄養素の1つが「DHA」です。私たちはこの点に着目し、魚油に依存していたDHAの供給を「藻類由来のDHA」で補うというアプローチを採用しました。

藻類由来DHAは培養によって生産されるため、海産由来原料に頼らずとも安定的に供給できる点が特長です。成分そのもののばらつきも少なく、養殖の安定性と品質を両立させながら、魚に必要な栄養を効率よく供給することが可能です。

しかし、こうした技術は机上の空論では意味を持ちません。大量生産を前提として、現場の工程に無理なく組み込むために——藻類由来DHAの導入は、ここからが挑戦の始まりでした。

Phase 3

現場設備のハードルを超える

藻類由来DHAの導入で直面した最大の壁は、飼料の製造工場での実装でした。製造現場には既存の設備や工程があり、そこに新たな原料を組み込むには多くの調整が必要です。また、藻類由来の原料は、従来の魚油と形状が大きく異なり、受け入れや計量、製造工程の中で、想定外の課題が次々と浮かび上がりました。

研究段階でどんなに良い飼料を設計できても、現場の設備が対応できないのでは意味がありません。私たちは、研究開発部門と工場、その他あらゆる関係部署間で調整を重ね、製造を実現するための準備を進めていきました。実験室と製造現場を行き来し、課題が出れば設計を見直す。その繰り返しの中で、実際に生産できる体制をつくり上げていったのです。

Next Phase

安全とおいしさを
食卓へ届けるために

低魚油飼料の普及によって守られるのは、天然資源だけではありません。藻類由来DHAによる安定した栄養設計は、養殖魚の品質を支え、魚のおいしさや安全性を保つことにもつながります。

良い飼料は養殖魚の価値をさらに高め、食文化を次の時代へとつないでいきます。魚油への過度な依存を減らすことは、海への負荷を抑えると同時に、食卓から養殖業の未来を守る基盤づくりでもあるのです。

低魚油飼料は完成形ではなく、未来へ続く通過点の1つです。海の環境と天然資源に配慮しながら、品質とおいしさをどう高めていくか。私たちはこれからも、この課題と向き合い挑戦を続けていきます。

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