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02

容易に、確実に、環境にも優しく。
人工飼料でつくる養殖の新常識

数万匹の仔魚が絶滅するなど、いくつもの挫折を経て進められたクロマグロの初期飼料開発。多大な労力とコスト、生態系への負荷がかかる中、配合飼料を用いるプロジェクトが立ち上がります。今、水産業界が注目する取り組みについて、3人のメンバーに話を聞きました。
※取材内容および登場する社員の所属は取材当時のものです。

水谷亮介
水谷亮介

水産技術センター
研究開発グループ/2004年入社

水産技術センターにて研究開発グループのリーダーを務める大黒柱。本プロジェクトでも、取りまとめ役としてメンバーを率いている。

福岡紘人
福岡紘人

水産技術センター
研究開発グループ/2012年入社

研究開発グループの課長補佐として勤務。本プロジェクトの主担当として実務を担っていたが、2021年度からは若手のサポートに回っている。

曽根志織
曽根志織

水産技術センター
研究開発グループ/2017年入社

研究開発グループの若手社員。水谷や福岡のサポートを経て、2021年度からは本プロジェクトの主担当に抜擢。日々実務を担っている。

労力、コスト、環境負荷……
クロマグロの養殖に伴うえさ問題

クロマグロは、人工のえさに餌付きにくい魚。大きいサイズまで育てば食べるものの、一般的に初期段階はイシダイなどの餌料用仔魚をえさとして育ちます。その特性によって、養殖の現場ではいくつかの課題が生まれていました。「餌料用仔魚を確保するためには、親魚を確保しなければなりませんし、飼育・産卵のための環境を整えるのに多大な労力やコストもかかります。必要な餌料用仔魚を確保できないと、クロマグロ仔魚間の共食いや飢えによる大量斃(へい)死が発生することも。クロマグロの養殖にとって初期段階のえさを安定的に確保することは長年の課題となっていました」と、リーダーの水谷は話します。

また、初期段階の育成の成功は、SDGsの観点からも重要視されていました。「養殖に用いられるクロマグロの仔魚の多くは、天然のもの。海から獲るたびに生態系への負荷がかかるため、初期段階のえさ問題を解決し、育成しやすい環境をつくり出すことは養殖産業全体でも急務でした」

労力、コスト、環境負荷……クロマグロの養殖に伴うえさ問題

数時間で数万匹の仔魚が絶滅。
苦難の先に見えた一筋の光

クロマグロの養殖に伴う初期段階のえさ問題。そこでNOSANは、クロマグロの仔魚でも食べられる人工の配合飼料の開発を進めます。しかし、立ちはだかったのは、高いハードルでした。「配合飼料を与えても、全く食べなかったんですよ。マグロってとても代謝が大きい魚なので食べないとすぐに死んでしまう。数時間単位で状況が変わり、目を離した隙に数万単位の魚が全滅してしまうこともありました」そう語るのは、2020年度までプロジェクトの主担当を務めていた福岡。「何万匹の仔魚が死んでいくのを何年間も見続けるのは精神的にこたえましたね。それでも絶対に諦めたくなかった。一日中張り付いて仔魚の状況を細かく確認し、何かヒントがないか探していました」そして、数年後その努力が実を結ぶことに。「配合飼料の水分量を変えてみたら、ついに仔魚がえさをつつき始めたんです。プロジェクトを断念する話も出てきていたので、とてもうれしかったですね」

数時間で数万匹の仔魚が絶滅。苦難の先に見えた一筋の光

若手が見せた強い意志が
プロジェクトを加速させる

ついに飼料開発の糸口を掴んだプロジェクトチーム。2019年度からは2017年度入社の若手・曽根がメンバーに加わりました。「すぐに変化する魚の状況やそれに対応する福岡の姿を見て緊張感のある現場だなと思いました」と、曽根は配属当時を振り返ります。当初は福岡のサポートを行っていた曽根でしたが、2021年度からは福岡に代わりプロジェクトの主担当に。しかし、壁にぶつかることも少なくありませんでした。「実は主担当になった年、50万粒近い卵を全滅させてしまったんです。育成スパン、設備の確保、関わる人材のリソースなどを考えると、クロマグロの養殖は年に何度もチャレンジできません。それでも、無理を承知でリーダーの水谷に相談に行って再チャレンジさせてもらったこともあります」

この時を振り返り水谷は語ります。「曽根は比較的引っ込み思案な性格。でも、自ら『やりたい』という意志を見せた。曽根の成長を感じた瞬間でしたね」

「クロマグロ養殖に欠かせない」
そんな餌を世に送り出したい

何年間もの試行錯誤の末、ようやく光が見えてきたクロマグロ初期飼料開発プロジェクト。今後は、より安定的に食べられる配合や条件の精査、生産体制の確立が求められています。「実際の養殖現場の環境や規模感を踏まえてさらに開発を進めていくつもりです。市場にインパクトを与えるために『いかに簡単に、確実に、成長させられるか』という点にこだわっていきます」と、福岡は話します。

最後に、今後描きたい未来についてそれぞれが語りました。「この餌のファンをどんどん増やして、『これがないとクロマグロの養殖ができない』と言われる世界をつくりたいですね」と、水谷。曽根は「この餌によって天然の卵を獲ってくる慣習が変わり、養殖産業を盛り上げつつ、SDGsにも貢献できればと思います」と、話します。福岡も「クロマグロの養殖に欠かせない餌として、市場に評価される商品に仕上げていきたい」と、意気込みます。今、3人は確実に養殖の未来を描こうとしています。

「クロマグロ養殖に欠かせない」そんな餌を世に送り出したい
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